 |

漬け物は、地方によって、さまざまな種類があるのが楽しい。「九州の高菜漬けは最高」と思って東京に来たら、べったら漬けを食べて「わあ、おいしい!」。長野の「野沢菜漬け」には、「ごはんください」と叫びたかったし、秋田の「いぶりがっこ」には、漬け物にもこんな芸風があるのだと驚きました。さすがだなと感心したのが、京都の漬け物。なかでも、春先から出回る菜の花漬けは、菜の花が漬け物になることも意外だったけれど、塩味のなかにひそむ淡い苦みが春の足音のようで、いっぺんで好きになりました。毎年、出回るのを待ちかねて、その昔料理上手の友人が教えてくれた菜の花漬け入りのおにぎりを作ります。
|
 |
|