キホン!room
ゆずの幸せ
一年のなかで、いつでも黄色いゆずを見つけられるこの数か月は、ほんとうに幸せです。その昔、取材先の日本料理店で、吸い物に丸い直径1㎝ほどのゆずの皮がのっているのを、「これは、へぎゆずという吸い口ですよ。薄くそぐように切ることを"へぐ"といい、ゆずの皮を薄くへぎとったものを、へぎゆずといいます」と教えてもらったのが懐かしい。このときからでしょうか、ゆずを使うとよそいきになった気がするようになりました。すりおろした皮を、ほうれん草としめじのおひたしに混ぜたり、せん切りをいかと大根のわた煮の上にたっぷりのせたり、このところ、ゆずで忙しい毎日です。
ゆずらしい香りは、汁よりも皮にあります。黄色い皮の部分だけを薄くそいだ「へぎゆず」。 そばに落としても。
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