2022.08.19

親子でおでかけ! サントリー美術館の「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」に行ってきた

武蔵野図屏風(むさしのずびょうぶ) 六曲一双 江戸時代 17世紀 サントリー美術館


夏休みは、親子でおでかけする機会も多いことでしょう。プールや遊園地、映画などにお出かけした人もいるかな? 美術館や博物館はどうでしょう?

こどもオレンジページスタッフのウメコと息子ゆーくんは、先日、ちょっと特別な美術展に行ってきました。

こども連れに貸し切りの「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」へ

ここは東京・六本木にある、サントリー美術館
入口に到着! 

今回の展示のテーマは「歌枕 あなたの知らない心の風景」
「歌枕」というのは、「和歌によって特定のイメージが結びつけられた土地」のことだそう。日本人は昔から、美しい風景や自然を和歌に詠み、自分の思いを表現してきました。美術品や工芸品にも「歌枕」がモチーフとなったものがたくさんあるんですって。
小学2年生のゆーくんには、ちょっと難しそうかな……。

でも今日は、「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」の日。1年に1度、事前予約をしたこどもと保護者限定で展示を見られる日(なんと無料!)で、こども向けにいろんな工夫を凝らしてくれていました。



作品を見て、自分でも描いてみよう!


(※取材のため、許可を得て撮影しています。展示室内では撮影OKの1点を除き、撮影はできません)

ゆーくん「わ~きれい、大きな絵だね~。この白い草は……ススキ?」

ウメコ「きれいな絵だね。そう、ススキ野原が書いてあるね。これは屏風といって、昔の人は部屋に飾って眺めていたのよ」

ゆーくん「あ、富士山だ!」


大きな屏風絵にたちまち夢中になったゆーくん、目に当てているのは、紙を丸めて作ったのぞき筒。この穴を通して見ると、周りの情報がさえぎられ、集中して絵を見ることができます。


のぞき筒は、入り口で作らせてもらいました。


首から下げられるように、ひももつけます。

 
「あ、今度は長~い絵! 人がいっぱいいる。何をしているのかな?」


【石山寺縁起絵巻(模本)いしやまでらえんぎえまき 谷文晁 七巻のうち 江戸時代 19世紀 サントリー美術館】

ゆーくんは絵巻物にも興味津々。

ウメコ「この川は、今の京都にある宇治川ですって。気になる場面があったら真似して描いてもいいみたい」


絵巻物を初めて見たというゆーくん。細長い絵を右から左へ順に見ていくと物語が進んでいくのが面白いよう。お話の内容が分かると、イメージがよりふくらんだそう。魚のお腹に大事な文書が入っていて、それをさばいて取り出す(!)というシーンを、こちらも入口で渡してもらったワークシートに一生懸命描き写していました。


入口で渡してもらえるバインダーと書き込み式のワークシート。紙ののぞき筒と合わせて、首から下げて観覧します。

鑑賞ツアーや百人一首の特別プログラム



この日は、少人数のツアー「展示室で!旅する鑑賞会」もあり(予約制)、黄色いTシャツのスタッフの方たちが、作品解説をしてくれました。



要所要所で作品の解説をしてくれるスタッフさんたち。ありがたいです。


また、百人一首の話を聞いて、実際に対戦形式で札を取り合う体験プログラムも。


教えてくれたのは、「慶応かるた会」の皆さん。ふだんから競技かるたに取り組んでいる学生さんです。


百人一首は小学校で取り組んでいる子も多いと思いますが、競技かるたは奥が深い~。大人が聞いても学びの多い内容で、和歌の世界に興味がわいてきました!

美術館の内観にも注目


サントリー美術館は、ダイナミックな吹き抜けスペースも印象的。正面に映る、展示に合わせた映像も素敵です。美術館全体は、著名な建築家である隈研吾さんの設計だそう。壁一面に手漉き和紙が貼られ、風情があります。

こどもびじゅつかん、また来たい!

ひと通り回ってみて、いかがでしたか?

ゆーくん「どの美術品もとてもきれいで、とくに紅葉の屏風が気に入った。赤いもみじがとてもきれいだったから。あとは富士山のお皿。これ欲しい!」


【銹絵雪景富士図角皿(さびえせっけいふじずかくざら) 尾形光琳画 尾形乾山作 一枚 江戸時代 18世紀 サントリー美術館】

ゆーくん大注目の富士山の器。「欲しい」(笑)というだけあって、器に描かれた富士山の絵柄を、かなり熱心に描き写していましたね。

ウメコはどうだった?
 
ウメコ「ふだんの美術館ではなかなか絵を描ける機会はないのですが、今日は堂々と絵を描くことができて、息子にとてもいい経験になったと思います。気になるポイントがこどもたちそれぞれに違うので、同じ展示を見ても、最後に描いたものを見せ合ったらみんな違っていそう。そういう楽しみ方もしてみたい」


【色絵桜楓文透鉢(いろえおうふうもんすかしばち) 仁阿弥道八 一口 江戸時代 18世紀 サントリー美術館】

「桜ともみじがいっしょに描いてある! きれい」

今年で8回目になる「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」。毎回、小中学生の親子に大人気とのこと。美術展に親子で行くのはハードルが高い……と思うこともありそうですが、このような機会を利用したり、また、そうでなくても気になる展覧会に思い切って行ってみると、想像以上に新鮮な発見があるかもしれません。


こちらの展示は8/28(日)まで。オンラインプログラムもあり、こども向けの動画も楽しめます。
※終了しました
詳しくはコチラ

◆サントリー美術館
東京都港区赤坂9-7-4 
東京ミッドタウン ガレリア3階
(都営地下鉄大江戸線 六本木駅出口8より直結、
 東京メトロ日比谷線 六本木駅より地下通路にて直結)

サントリー美術館では、ほかにも小中学生向けのプログラムがあったり、企画展ごとに、こども向けの「わくわくわーくしーと」が用意されています。WEBサイトをチェックしてみてください。

サントリー美術館公式サイト

天候に関わらず、快適に過ごせる美術館は、親子でのお出かけにもってこい。自由に見て、感想をあれこれ話してみるのもいい思い出になりそう。なかなか出かけられなかったり、近くに美術館がない、という方、全国どこからでもアクセスできるオンラインプログラムをぜひ活用してみてくださいね。

関連記事

実りの秋、茨城県笠間市の栗農園で栗拾い

撮影・文/編集部

SHARE

RELATEDこの記事に関する記事

ARCHIVESこのカテゴリの他の記事

TOPICSあなたにオススメの記事

PICK UPおすすめ