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【編集マツコの 週末には、映画を。Vol.36】「カツベン!」

2019.12.05


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
応援上映がちょっと苦手です。静かに映画も見せてくれないこんな世の中じゃ……。だいたい映画館には1人で行くので、1人でノリノリになるのはハードルが高い!
今年『ボヘミアン・ラプソディ』を見に行ったときも、うっかり応援上映の回を予約してしまい、慌てて変更しました。
こんな僕ですが、『カツベン!』を見て、少し考えを改めることに。
1人で行く人、家族連れ、カップルetc. 色んな人が映画館にはいますが、たまたま同じ映画を見ている人たちがその良さを楽しく共有できるのが応援上映なのかもしれません(って当たり前??)。
そんな応援上映の原型?とも言える、活動弁士にスポットを当てた作品です。
あまり知られていない彼らの仕事を魅力的に伝えてくれるだけでなく、「映画っていいな」と改めて感じさせてくれる、とってもハッピーな作品!


最初は何年前だったんでしょう、洋画の映像にコミカルな日本語の吹き替えを当てるCMが出てきたのって。
マツコはあれが大好きで、これを考えついた人のセンスすごいなあと思っていましたが、これ原作者怒らないのかな?と心配もしていました(笑)。
画期的に思えるこの手法を既に100年前に実践していた人たちこそ、この映画の主役である活動弁士たちなのです。

当時、海外から輸入された映画は「活動写真」と呼ばれ、サイレント(無声)でした。
セリフ無しで話が分かるの?って思うかもしれませんが、今の映画に慣れているからそう感じるだけで、役者さんの表情や仕草などから観客は想像力をフルに使っていたのでしょう。
大人気となった活動写真をより楽しめるよう、自らの説明や語りで観客を魅了したのが活動弁士。
劇中にもその描写がありますが、弁士によっては俳優よりも人気があったのだとか。
個性豊かな弁士たちと彼らを取り巻く人々を、成田 凌さんを初めとする日本映画界のスターたちが魅力十分に演じています。


小さな頃から活動弁士を夢見ていた俊太郎(成田 凌)。成長した彼は、にせ弁士として泥棒一味の片棒をかつぐという生活に陥っていた。
そんな生活に嫌気がさして流れ着いたのが、ライバルの映画館に客も弁士も取られてしまっている靑木館です。
キャスティングが絶妙なんです、この映画。
夢を持っているのにせせこましい犯罪に手を染めてしまう、ちょっと流されやすく頼りない主人公の青年を演じる成田 凌さん。
かつては看板弁士だったのに、今は酒に溺れて落ちぶれた山岡は永瀬正敏さん。高良健吾さんは、ルックスも実力も合わせ持ち靑木館を支えつつも、高慢ちきな態度が鼻につく弁士・茂木にぴったり。
人使いの荒い映画館のオーナー夫婦を竹中直人さんと渡辺えりさんが演じていて、渡辺えりさんに関してはこの時代にいそうな感じが群を抜いていました(笑)。大好きな俳優さんです。
ほかにも刑事役の竹野内 豊さん、ライバル映画館の跡取り娘役の井上真央さんなど、かなり豪華な顔ぶれ!


役者が揃っていると、ストーリーはシンプルでも十分面白い。俊太郎は子どもの頃から独学で鍛えた弁士の技術をひょんなことから発揮する機会を得るが、果たして彼は靑木館を救えるのか?
さらにそこに、昔の泥棒仲間がやって来てピンチを迎えたり、ライバルの映画館の妨害が入ったり、さらには俊太郎の初恋相手の梅子(黒島結菜)との再会もあって……。

当然ですが、最大の見どころは成田さんの弁士としての語り。相当練習をされたのだと思いますが、声量といい観客を魅了する感情のこめ方といい、本当にプロの弁士さんの様です。
永瀬さんと高良さんもそれぞれの弁士としてのキャラクターが立っていて、確かにこれは弁士ごとにファンがつくんだろうな~。
3人とも魅力的ですが、活動弁士の役割に疑問を持ち苦悩する、ちょっと落ちぶれた設定の永瀬さんの役どころが渋くて好みでした♪

弁士の語りにお客さんが歓声を上げ、ときにはヤジも飛ばす。こんな風に当時の映画館は盛り上がっていたんですね。
みんなで作品を楽しむって、まさに応援上映の原型じゃないですか?


ご存じの通り、無声映画がトーキー(発声映画というらしい)に取って代わられ、弁士たちの人気は徐々に衰退していきます。
でもこの映画はその悲哀を描くんじゃなくて、あくまで彼らが隆盛を極めた当時の勢いを楽しく見せているのがいいんですよね。
こういう日本独特の映画文化があって、それを支えた人たちがいた。その事実が大事なのであって。
そして、今でも活動している活動弁士さん(紛らわしい)たちがいるらしい! 全国津々浦々で活動しているとか……これはちょっと見てみたいです。

ここ数年、映画館てどんどん閉館しているでしょう。映画を見る人ってだんだん減っているのかな(泣)と悲しくなってしまいますが、実は今年、日本での映画の興行収入は過去最高の見込みなんですって。
昔も今も、日本人てやっぱり映画好きなんですね~。僕たちのDNAに刻まれた映画魂を確認するためにも、ぜひ『カツベン!』見てください!

「カツベン!」  12月13日(金)より全国ロードショー!
配給:東映
© 2019「カツベン!」製作委員会

 

 


【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。
文/編集部・小松正和

次回12/13(金)は「家族を想うとき」です。お楽しみに!

 

 

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