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【編集マツコの 週末には、映画を。Vol.32】「スペインは呼んでいる」

2019.11.07


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
シリーズものの映画が好きです。といってもスター・ウォーズとかスパイダーマンとかアクションものではなく、同じ人物が年を重ねていくドラマが好きなのです。
今回紹介する作品もシリーズもの。『スペインは呼んでいる』は、イギリスの中年男性2人組がグルメ取材のために色々な国に旅に出る、ロードムービーシリーズの三作目。
現役で活躍する俳優兼脚本家とタレントのコンビが繰り広げる、テンポはよくも凸凹な会話の応酬に、きっとハマってしまいますよ。


スティーヴ・クーガンは俳優であり脚本家。『あなたを抱きしめる日まで』という作品がアカデミー賞脚本賞にノミネートされた実力派です。
この作品、生き別れた息子を探す旅に出る母親のストーリーで、とってもおすすめ。
その相棒は、人気コメディアンのロブ・ブライドン。この人は知りませんでしたが、映画の中で幾度も、というかほぼ全編を通して披露されるモノマネの幅の広さたるや、相当な実力と人気の持ち主なのでしょう。
似ているのかどうかまったく分からないものも多いのですが。
2人ともそのまま本人の役柄で、グルメ誌の取材でスペインに旅に出るという設定。
いいですねーこんな仕事。『オレンジページ』の編集をしていると人に言うと「仕事でおいしいお店に行けるのでは?」とよく聞かれますが、誤解です。紹介しているのは主に家庭のレシピなので……。
ちなみに、2人は自分自身を演じていますが、他に登場する家族や恋人はフィクションの存在として、俳優たちが演じています。


美食の国スペイン。2人が取材するのは一流店の数々。宿泊場所も、古城や修道院を改装したホテルだったり、食のみならずカルチャーや景色もいっしょに楽しめる作品です。
なのですが、印象に残るのは2人の会話ばかりなんですね。というのも、映画の大部分は2人のおしゃべりで占められているから。
ドライブ中でもレストランの食事中でも、必ずロブがモノマネを始める。
負けず嫌いのスティーヴは何かしら難癖をつけたり、自分の方が似ていると主張したり、料理やスペインの歴史について講釈したり……。
そこはやはり同じ芸能界の人間。お互いの実力を認めつつも、どうしても張り合っちゃう。
お二人さん、楽しい会話もいいんだけど、もっと景色見てー! 料理味わってー! と思っちゃいます(笑)。取材なのにレビュー書けないでしょ。


シリーズ3作すべてに共通しているのですが、旅の道中に2人がそれぞれの家族に電話をする場面がいいんです。
ロブは奥さんに。この夫婦はシリーズ1作目から関係良好で、のろけ会話にこちらもほっこり。
対するスティーヴは、ちょっと関係が不安定な(元?)ガールフレンドや、前妻との間の1人息子ジョー(ティモシー・リーチ)が電話の相手。
前作や前々作を見ていると、息子の成長にぐっときます。年賀状の写真で知り合いの子供の成長を確認して「大きくなったなあ」と思うように。
家族との関係のみならず、50代に差し掛かる2人は仕事の面でもいろいろな転機を迎える世代。芸能人としてのキャリアの方向性など、彼らがリアルに抱える問題も垣間見ることができます。
いつもと違う景色、違う言語に囲まれることで、いつもより少し感傷的になり、自分自身を見つめ直すきっかけになる。
これぞロードムービーの醍醐味ですよね。

今回、スティーヴの息子ジョーからは、電話越しに衝撃の告白が。含みのある終わり方だったので、きっとシリーズは続くのかな?と早くも次回作に期待しています。
イギリス北部→イタリア→スペインと旅をしてきたので、このへんで日本に来てくれたら面白いですね!


「スペインは呼んでいる」  11月8日(金)よりBunkamura ル・シネマにて公開
配給・ハーク
©SKY UK LIMITED 2017.


【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。
文/編集部・小松正和

次回11/15(金)は「ベル・カント とらわれのアリア」です。お楽しみに!

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