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3カ月連続スペシャルコラボ企画
「あなたには帰る家がある」×オレンジぺージnet

〈夫婦あるある〉たっぷりの笑える日常はもちろん、平穏な夫婦に潜む落とし穴をドキドキハラハラの展開で描く大人の群像劇「あなたには帰る家がある」と、オレンジページnetがコラボ! 夫婦の不満やすれ違い、主婦の本音、女性が働くことの大変さ……。ドラマから見えるさまざまなテーマを通して、現代の夫婦の形や主婦像を探っていきます。

2018.4.13

【第1回:SP対談】TBSプロデューサー・高成麻畝子さん×オレンジページ編集長・鈴木善行

第1回は、ドラマを担当する高成プロデューサーを迎え、弊誌編集長がインタビュー。制作にあたり100人以上もの女性にリサーチしてあぶり出した、現代の夫婦像や夫婦のあるあるネタ、主婦の不満などをもとにお話を聞きました。さらに、オレンジページ読者にも夫婦にまつわるアンケートを実施! クスッと笑えるリアルな意見とともに、良好な夫婦関係を築くヒントを探ります。

 

 

現代のリアルな夫婦の形を反映したドラマ

鈴木 「あなたには帰る家がある」は、オレンジページ読者のかたがたにとって共感やヒントを得られるドラマになりそうだと私たちも注目しているのですが、そもそもはどんな思いから企画をされたのですか?

高成 今は女性がもっと輝く時代ということで働くことが推奨され、共働きの夫婦が当たり前になりつつありますよね。同時に、両者が働かないと家計が成り立たないという背景もある。時代とともに環境は変化しているけれど、20年前に書かれたドラマの原作の同名小説には、今も変わらない夫婦の問題だとか、奥さんのジレンマだとかがあって。これを2018年ならではの目線で描けるんじゃないかと感じたのが、きっかけのひとつです。

鈴木 たしかに、夫婦の問題って20年前とあまり変わらないのかもしれない。また、原作のストーリー自体も非常にドラマ的ですよね。

 

高成 そうなんです。2組の夫婦4人のキャラクターがおもしろく、その中に妻の不満があり、夫の建前があり、秘密の恋があり……。いろんな要素が重層的にからみ合って、今っぽいドラマができるんじゃないかと感じました。

鈴木 ドラマ化されるに当たり、100人以上の女性にリサーチしたと伺いました。こういったリサーチはよくされるんですか?

高成 最近は多くはないですが、現代の問題を描く作品で取り入れる手法の一つではありますね。よりリアリティあるドラマにするために、20代から50代の専業主婦のかた、共働きのかた、離婚歴の有無、再婚経験者など、いろんなケースに分けて、今の女性の気持ち、現在の夫婦像を探っていきました。

鈴木 そこで得たリアルな声が、ドラマに反映されているのですね。

高成 皆さんのお話をヒントにした夫婦あるあるはクスッと笑っていただけると思いますし、社会的通念では女性が表立って言えない葛藤や不満を、中谷美紀さん演じる佐藤真弓がハッキリ言葉にするシーンなんかは、きっと痛快な気分になってもらえるんじゃないかなと思います。

 

アンケート1

意識的に会話を心がけている人も多いが、「適当に返事をして話を聞いてくれない」「夫の自慢話が多い」など、会話そのものへの不満も少なくないよう。

 

 

夫への小さな不満は、数えればキリがない⁉

鈴木 リサーチをされて、意外だったのはどんなことでしょう?

高成 一つは、専業主婦のかたの本音を聞くまでに時間がかかったこと。なかなか心を開いてくれないので、お酒を飲んだりしながら(笑)、じっくり時間をかけてお話を聞きました。

鈴木 そう聞くと……うちの読者は専業主婦のかたが多いんですが、お便りを見ていると暮らしの中で感じるよい面を伝えくださることが多い気がします。ちょっとした失敗談はあっても、本音っぽい不平不満は送られてこないんですよ。でも、このコラボ企画をスタートする際、読者にアンケートをとったところ、われわれが想像していたより旦那さんに対して抱えている不満や、赤裸々な意見を吐き出してくださって(笑)。新たな発見がありました。

高成 へー! たとえば、どんな意見があったんですか?

鈴木 旦那さんへの不満で多かったものの一つが、会話に関するものですね。「話を聞かず、適当に返事をする」「忘れていた、気にしてなかったと、とぼければすまされると思っている」など、無関心に不満を持っている人。あと、年代が上がると「上司のような言動」「『だからダメなんだよ』という上から目線にイラッとする」「『いや……それは』と否定から入る」といった意見も多くありました。フォローするわけじゃないですが(笑)、男性は解決してあげなきゃと思うがゆえに、「そうじゃなくてさ」っていう上から目線になってしまいがちなのかな、と。

 

高成 よくあるギャップですね(笑)。女性はただ聞いてほしいだけなのに、っていう。そういう日常の小さな不満って数えだしたらキリがないんですよね。

鈴木 そうですね。「靴下を脱ぎ散らかす」「何でも出しっぱなし」という王道の不満から、「食事のときにガツガツと音を立てる」「歯みがきのときの水量が多い」「せき払い」など、ピンポイントの不満までさまざまありました。

高成 私たちの座談会でもいろいろ意見が出てきたのですが、「狭い家の貴重な空間を、旦那さんの趣味のスペースに使う」ことが不満という意見はドラマに反映させてもらいました。あと、玉木宏さん演じる真弓の旦那さんは、食べ物の賞味期限が1日でも過ぎたらイヤという細かい男性なんですよ。大ざっぱな妻を信用せず、自分で〈賞味期限チェック〉をするシーンなんかも、座談会の意見を参考にしたもの。そういう部分も「わかる」「あるある」と思いながら、見ていただけるといいなと思います。

 

アンケート2

 

 

共働き夫婦のパワーバランスは稼ぎに比例する

鈴木 先に専業主婦の本音を聞き出すのがむずかしかったとおっしゃっていましたが、専業主婦のかたと共働きのかたとで夫婦の関係性も違うと感じましたか?

高成 感じました。当然、家計のバランスは変わるじゃないですか。なんとなく、家事の分担に関しても収入に比例している感じはしましたね。男性側も奥さんのお給料をある程度あてにせざるをえない状況だと、「やらなきゃ」っていう意識が働くので、家計と家事のバランス、家計と夫婦のパワーバランスは比例しているんじゃないかなという実感です。

鈴木 アンケートでも働く女性に多かったのが家事・育児の分担に対する不満でした。ただ、若い夫婦になるほど旦那さんの家事参加率は上がっているので、そのへんの意識は少しずつ変わっているのかな、と。ゴミ出し、風呂掃除、食器洗いが男性が手伝う三大家事ですが、たったそれだけで分担していると思わないでという不満もあって。なかなかむずかしいなと思いました(笑)。

高成 簡単といえば、簡単な作業ですもんね(笑)。特に小さいお子さんがいるお母さんは、24時間が家事だと思うんです。洗濯や掃除をしながら子どもが散らかしたものを片づけて、やっと終わったと思ったら今度は食事。買い物をするときもメニューを浮かべながら、家計のバランスを考えているわけですよね。「これやって、あれやって」と常に段取り、段取りの毎日。そのなかの末端の作業をちょっとやってくれただけじゃ、過小評価したくなっちゃう気持ちもわかります。もちろん、やってくれないより全然ありがたいけど、100%のうちの5%で〈やってやった感〉を出されるとねっていう(笑)。

 

鈴木 耳が痛い話ですね(笑)。個人的な話で申し訳ないんですが、仕事柄、時間が不規則で帰りがかなり遅くなることが多いんです。かつ、うちは子どもが小さく専業主婦なので、家のことはほぼまかせっきり。申し訳なさもあって、どんなに深夜になっても先の三大家事だけは必ずやると自分で決めているんですね。

あと、妻から「友人との飲み会があるから行ってもいいか」ときかれたときは、絶対OKと言うようにしていて。その間、家のことや子どもの世話をするんですけど、すきまなく連続で作業をしている状態。実際に経験すると、こんなにもやることがあるのか、こんなにも大変なのかと実感します。

今、〈名前のない家事〉というのが話題になっていますが、うちの女性編集部員たちがすごく共感して、「名前のない家事に、名前をつけられないか」みたいな話で盛り上がっていたことがあるんですよ。その見えないものが、きっと大きな負担になっているんでしょうね。

 

高成 〈名前のない家事〉といえば、座談会で姑さんと暮らす旧家に嫁がれたかたが、いただきものに対してお返しをする作業がとても大変だとおっしゃっていました。相手の好きなものを調べて、住所を確認して、お礼状を書いて。一つ一つはちょっとしたことだけど、積み重なるとすごく負担で、どんどん不満になっていくと聞いて、なるほどと思いました。

鈴木 でも、多くの男性は日々の小さな不満に気づかないから、ある日突然、奥さんが怒りだして「何で怒られているんだろう?」となるんでしょうね。

高成 男性からすると〈突然〉だけど、女性にとっては突然じゃないんですよ。それで、60歳くらいになったときに離婚をたたきつけられるなんて話がありますよね。気づかないうちに静かに進行している。

鈴木 そう聞くと怖いですね……。

高成 座談会でも、娘が大学を卒業したら離婚すると決めている女性がいたんですよ。いつ決めたのかをきくと「娘が生まれたとき」だと。

 

鈴木 え! そんな前から……。根が深いですね。

高成 出産時の旦那さんの態度がずっと不満として残っていて、今は離婚のときを待っている状態だそうです。でも、常にサインを出しているって言いますよね、女性は。

鈴木 それなのに、男性は気づかないんだなぁ、これが。

高成 サインだけで、言葉にしないのは女性側の問題でもあるのかもしれないですね。「察してほしい」「ましてや夫ならわかるでしょ」という思いがある。さらに日本の男性は愛情表現をしない人が多いので、奥さんは愛情を感じられないまま、不満だけがたまっていくという悪循環なんでしょうね。「腹が立つ」「むかつく」という負の感情って、時間の経過と同時に負の「利子」がついてきて、いつの間にか帳消しにできないほど大きな憎しみになる。それが、離婚の真髄じゃないかと感じました。

 

アンケート3

仕事に関して「関知しない」ことでバランスを保っている夫婦がもっとも多いという結果に。僅差で「同志」と感じているという声が続いたが、気持ちは共有しあえても、家事や育児は共有できていないよう。

 

 

夫婦がいい関係性を保つためには何が必要?

鈴木 座談会で夫婦のすれ違い、溝の大きさというのを知るなかで、もっとこうすれば夫婦はうまくいくんじゃないか、いい形で共存できるんじゃないかと感じたことはありますか?

高成 大きく分けると、二つあります。一つはシンプルですが、〈こまめに話し合うこと〉。ただ、言いたいことを言うだけじゃなく、〈会話〉や〈話し合い〉がちゃんとできている夫婦が、果たしてどれくらいいるのか。不満に思っていることだけじゃなく、自分が何を考えているのかを毎日伝えるだけでも変わるんじゃないかなと思うんです。夫婦関係はメンテナンスだとおっしゃる人もいますが、まさにこまめに修復しないと先ほど言った〈負の感情には「利子」がついてくる〉という状態になりかねないと思うんですよね。


鈴木 たしかに、読者アンケートでも夫婦関係を良好に保つための工夫として、「思ったことを口にする」「毎日、会話をする」という意見が非常に多く見られました。あと、「いっしょに笑う」「共通の趣味を持つ」といったものや、「長いLINEは送り合わない。ケンカのたねだから」「お互いの予定をカレンダーに書き込む」といった具体的な声もありました。意外だったのは、50、60代のかたに「スキンシップすること」を大事にしているかたが意外と多いこと。

高成 私もいろんなお話を聞いて、スキンシップの大事さは感じました。本来、夫婦っていちばん身近な異性のはずなのに、いつの間にか接触がなくなるのが日本の夫婦のよくある像かなと思うんです。実際、座談会で聞いた定期的なスキンシップの有無は半々くらいでしたが、身体的な接触があるかないかで、旦那さんへの親近感、夫婦の親密度が如実に違うんですよね。親近感や親密度がなくなると、やっぱり相手への尊敬も消えてしまうと思うので、すごく大事なことだと思いますね。

そして、もう一つは「妻はこうあるべき」「夫はこうあるべき」と自分で自分を縛らないことが大事だと思います。

 

鈴木 確かに。決めることで、自分を苦しめてしまうこともありますし。

高成 夫婦の数だけあり方があっていいんじゃないかなと思います。あと、ドラマでは、毎回、夫婦の原点に返るようなシーンが出てくるんですよ。「どうやって出会ったんだっけ?」「何で好きになったんだっけ?」「何で結婚したんだっけ?」って。

鈴木 日常で夫婦の原点を思い出すことって、意外とないものなので、振り返ることで見える部分もあるかもしれないですね。

高成 そうなんですよ。欠点と長所って紙一重で、最初は長所だと思っていたところが、いつの間にか欠点に変わり、不満に変わってしまう瞬間があるはず。でも、主人公が原点を振り返るシーンにふれると、あらためて「夫婦って悪くないな」と感じてもらえるんじゃないかなと。そして、このドラマが、それぞれに合った夫婦の形を見つける一つのきっかけになればいいなと思いますね。

 

 

 

高成
高成麻畝子(たかなり・まほこ)
富山県出身。「きみはペット」「パパとムスメの7日間」「恋する日曜日」などの演出、「Around40~注文の多いオンナたち~」「スマイル」「恋愛ニート~忘れた恋のはじめ方~」「表参道高校合唱部!」などのプロデューサーとして、多くの人気ドラマ作品に携わる。
鈴木
鈴木善行(すずき・よしゆき)
新潟県出身。高校時代はボクシング部に所属、得意技は右フック。青山学院大学を卒業後、1993年、株式会社オレンジページ入社。大そうじ企画、収納企画をメインに『オレンジページ』、その後、美容雑誌『きれいになりたい』を担当。『オレンジページ』に戻り、副編集長、デスクを経て、2015年、編集長就任。2児の父でもある。

 

 

小さな不満はゼロにはならないけれど、ときには「原点」を思い返すことで、相手への思いや尊敬、夫婦のよさを実感できるのではないでしょうか? ドラマ「あなたには帰る家がある」は、そんなきっかけをくれるはず。そして、第2回のコラボ企画(5月中旬アップ予定)は、家事も完璧、旦那に従順な理想の主婦・茄子田綾子役を演じる、木村多江さんが登場します! 

 

取材・文/宮浦彰子 撮影/田上富實子
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  • 結婚13年目の主婦・佐藤真弓(中谷美紀)は、一人娘の受験が終わり、学費などで圧迫された家計を助けるべく、十数年ぶりに仕事への復帰を決意。しかし、夫の秀明(玉木宏)は真弓ががんばろうとすればするほど窮屈さを感じていく。そんな中、大ざっぱな真弓とは対照的な家庭的で美しい人妻・茄子田綾子(木村多江)と出会い……。