オレンジページ統括編集長の原田です。
新学期が始まりましたね。うちの中学男子は、今日のクラス替えで仲の良い友人と一緒になれてうれしそうでした。
さて、編集部員のおススメを紹介するこの連載。
前回>>推し活の必需品「オリジナルトレカケース」を作りに行ってみた!【新大久保でワッペンワーク】今回は、最近読んで、泣ける本というわけでもないのになぜか泣けた本を2冊紹介します。
母校が舞台の小説を読むという体験
1冊目『成瀬は天下を取りに行く』宮島末奈著/新潮社
もうすぐ発表になる「本屋大賞」にノミネートされている本作との出会いは、吉祥寺の書店でした。平積み棚を物色していると、私の地元(滋賀県)で子どもの頃通った「大津西武」が裏表紙になっている書籍を発見。ページをめくってみると、なんと主人公が私の母校に通っている!
懐かしい学校名を目にして「これは買うしかない」と即買いしました。その時には帯の「本屋大賞ノミネート」の文言も目に入っていなかったのだから、人間とは見たいものしか見ないのですね。
自分を貫くちょっと変わった主人公「成瀬」と、その友人の日常がテンポよく描かれる爽快な小説ですが、なじみ深い風景の中で生活している高校生の生き生きした姿と純粋さに心打たれます。
高校生活楽しかったな、と思い返しつつ、
息子にも楽しい学生生活を送って欲しいという母的な気持ちに自然と切り替わる自分に気づいた1冊。本屋大賞受賞を応援しています。
おいしそうな弁当本を読んで泣く
2冊目『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当』/オレンジページ
これは、4月からオレンジページnet編集長に就任したE子が、昨年から心血を注いで作っていた新刊です。読んで「あ~、E子に編集長を任せてよかった」と改めて思った素晴らしい出来なので、ぜひ手に取って欲しいです。
亜希さんのお弁当がおいしいらしい、というのは聞いていました。
そのとおり、どのページにも
てりってりのソースかつや、
ぶわっと湯気が上がるバターしょうゆ焼きおにぎりなど、画力のすごいお弁当がずらり。調理道具など便利なコツもたくさん。昨年の甲子園出場で話題になった野球部の息子さんを含め、食べ盛りの運動部男子を2人育て上げたパワー弁当はこれか~と感心しきりです。
しかも、この本の亜希さんが本当に素敵なんです。言葉にも表情にも、お弁当を持つ指先にまで「愛」があふれていて。このたたずまいは、これまでのお弁当生活18年を全力で走ったという誇りと強さと愛によって作られているのだなあと思うと、その大きさに感動して気づいたら
お弁当本を読んで号泣していました笑。自分でびっくりです。
私はまだお弁当2年生なのですが、こんなに大きな愛をお弁当に込め続けられるのか。そう思いながらそろそろ始まるお弁当生活のために、ページをめくっています。
今回紹介した商品
『成瀬は天下を取りに行く』宮島末奈著/新潮社特設サイト『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当』亜希著/オレンジページamazon