close

レシピ検索 レシピ検索
どうする?どうなる?老後の4K

教育費のために、老後資金を削ってもいいのでしょうか【今村翔吾さんが回答/老後の4K】

2023.07.08

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/お金

教育費と老後資金、
どちらを優先すればいいのでしょうか。

中学生、高校生の子どもが3人います。ここから大学までの学費と塾代、そしてこのところの物価高もあり、子どもにかかる費用はかさむ一方。自分たちの老後資金も貯めなければと思いつつも、子どもにはできるかぎりのことはしてやりたいと思う親心もあり。中学生になった長男は、サッカーのクラブチームに入りたいと言っているのですが、月謝や遠征費などがかかるため、金額によってはあきらめさせたほうがいいのか……。子どもの教育費と自分たちの老後資金、どちらを優先したらいいのか悩みます。
(43歳・女性)

今村翔吾さんの回答

教育費を優先させる〈期間〉をしぼる。その期間だけは、子どもたちのために踏ん張ってほしいなと思います。

ふきだし
お悩み回答者

今村翔吾さん

40代であれば、今は老後資金よりも、教育費を優先したほうがいいと僕は思います。教育費というのは必要な時期が限られていますから、そのほうがのちのち後悔が少ないんじゃないかと。ただし、その「期間」をきちんと決めておくことが大事。

たとえば、高校あるいは大学卒業までと明確にラインを引いて、そこまでは子どもたちがやりたいことのために全力を尽くす。それ以降は、自分たちの人生に100%力を注ぐ。子どもたちにも、「それ以降のお金はいっさい出さない」と宣言をして、「ここから先はあなたの人生だよ」と潔く送り出しましょう。

このかたに限らず、老後資金のことばかり気になってしまうのは、現代人がどこかで「死をコントロールできる」と錯覚しているからかもしれません。80歳ぐらいまでは生きるだろうと、死を遠くに思っている節がある。死が身近にあった戦国時代の人たちは、明日死ぬかもしれないと思って生きていた。いわば「毎日が終活」だったわけです。そう考えると、老後の不安を少しでもやわらげるには、今日一日を懸命に生きるしかないんですよね。

子どもたちが巣立つまであと10年くらい。逆にいえば、子どもたちと全力で向き合えるのはあと10年です。老後のための貯金を優先してしまうと、今の暮らしを楽しむ余裕が生まれないかもしれない。残りの10年をお子さんと楽しむことも忘れないでほしいなと思います。

今村翔吾さん
作家。1984年、京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(祥伝社文庫)でデビュー。『八本目の槍』(新潮文庫)で吉川英治文学新人賞、『じんかん』(講談社)で山田風太郎賞、『塞王の楯』(集英社)で第166回直木賞を受賞。「N スタ」(TBS系)など報道番組のコメンテーターも務める。
平野ノラさんの回答を見る
「老後の4K」のお悩みをすべて見る

『オレンジページ』2023年6月2日号より)

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

関連タグでほかの記事を見る

SHARE

ARCHIVESこのカテゴリの他の記事

TOPICSあなたにオススメの記事

記事検索

SPECIAL TOPICS


RECIPE RANKING 人気のレシピ

PRESENT プレゼント

応募期間 
2024/4/23~2024/5/6

『じみ弁でいいじゃないか!』プレゼント(5/7-)

  • #食

Check!