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どうする?どうなる?老後の4K

文句ばかり。家事のできない父の面倒をみるのに疲れてきました【村井理子さんが回答/老後の4K】

2024.02.26

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/介護

頑張って世話をしているのに、
文句ばかり言われて心が折れそうです。

父親の世話をするために、週2日、片道1時間かけて実家に通っています。父はまだ介護が必要な状態ではないのですが、80代ともなると、それなりに体も衰えてきていますし、家事がいっさいできない人なので、母が亡くなってから私が掃除や洗濯、食事の世話などをしている状況です。でも、父は「親の面倒を子どもがみるのは当たり前」と言って、感謝の言葉もありません。それどころか、少しでも時間に遅れると怒ったり、文句ばかり。私も働いていますし、自分の家のこともしなければいけません。感謝されるために世話をしているわけではありませんが、最近は父の面倒をみるのに疲れてきました。ちなみに、弟は遠方で働いているため頼ることができません。
(57歳・女性)

村井理子さんの回答

介護保険サービスなどを利用して、お父さんと少し距離をおいたほうがいいかもしれません。

ふきだし
お悩み回答者

村井理子さん

この年代の父親って、判を押したように同じなんですよね。うちの父も同じ年代ですが、生きていたらきっと同じようなことを言っていたと思います。もし私だったら、お父さんに理由を話して、一定期間距離をおくようにします。「このままでは私もつらいので、少しお休みさせてください」と。

あとは、介護保険サービスを利用することを検討してみてください。「要介護」の前段階の「要支援」※1でも受けられるサービス※2はたくさんあります。家事や身のまわりのことを手助けしてくれるヘルパーさんをお願いできたり、デイサービス※3にも通えたり。そうすれば、今の負担をぐっと減らすことができますし、第三者が入ることで、ぎくしゃくとした雰囲気がやわらぐかもしれません。

ちなみに、今のデイサービスというのは、カラオケ大会があったり、麻雀クラブがあったりと、趣味サークルのような活動をしているところがいっぱいあるんですよね。そういった〈遊びの場〉を提供してあげるのは、お父さんのためにもなると思います。

介護保険サービスの情報は、すべて「地域包括支援センター」で得られます。お父さんが住んでいる地域にも必ずありますから、ぜひ相談してみてください。「要支援」でなくても、一人暮らしの高齢者の訪問支援などもしているはずです。これまで介護保険料をきちんと払っているわけですから、利用しない手はありませんよ。

※1 「要支援」と「要介護」
要支援は、「ほぼ一人で日常生活を送れるが、歩行や買い物、家事など何らかの支援が必要な状態」、要介護は「日常生活を一人で送ることがむずかしく、介護を必要とする状態」をさす。要支援は2段階、要介護は5段階に分かれている。

※2 「要支援1」で受けられるサービス
要支援1で受けられるサービスには、ホームヘルパーや看護師による生活援助や、入浴の世話などの身体介護を自宅で受けられる「訪問系サービス」、介護施設のデイサービスやデイケアに通う「通所系サービス」、医療機関や介護施設に宿泊をする「宿泊系サービス」などがある。

※3 デイサービス
別名「通所介護」と呼ばれ、日中に施設に行って受けるサービス。日常生活支援を受けながら、交流やレクリエーションを楽しむのが目的。ちなみに「デイケア」は、「通所リハビリテーション」と呼ばれ、介護老人保健施設や医療機関等で専門的なリハビリを受けることがメインとなる。


村井理子さん
翻訳家・エッセイスト。滋賀県・琵琶湖畔で、夫、双子の息子、愛犬と暮らしながら、雑誌、ウェブ、新聞などに寄稿。最新刊『実母と義母』(集英社)は、がんで亡くなった実母と、認知症で要介護となった義母の〈ふたりの母〉への思いをつづった家族エッセイ。

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

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