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飛田和緒さんの「月に1度のさもない昼ごはん」

【料理家・飛田和緒さん新連載】春野菜の食べ収めに新じゃがいものオイル焼き

2023.06.14

人気料理家・飛田和緒さん。この連載は飛田さんの飾らないお昼ごはんをのぞき見させてもらいます。使うのは20年近く住む神奈川県・三浦半島の旬の食材! さて今日はどんな「さもない」お昼が見られるのでしょうか……?



こんにちは。料理家の飛田和緒です。

今月から「月に一度のさもない昼ごはん」というタイトルで原稿と写真をアップしていくことになりました。この連載はどんなテーマで進めましょうとスタッフのみなさんと相談したときに、雑誌ではなかなか紹介できない、地元で買った食材で作ったごはんをレシピ原稿でご紹介してはどうかということに。地産地消の様子をぜひ見ていただきたい。読者のみなさんにはすぐに手に入らない食材もあるかもしれませんが、読み物としてご覧いただき、もし手に入ったときには「あんな料理していたなー」って思い出していただけるとうれしいです。 

いざ・直売所へ買い出し!

さて第1回めの買い出しは雨続きで寒さを感じるほどの日が続いた5月の半ば。やっと晴れ間が出て、さぁ野菜を買いに行こうと張り切って直売所に出かけましたら……。ここのところの不安定なお天気のおかげで野菜がない! ちょっと心配はしていたんですが、加えて春野菜から夏野菜への切り替わりどき、端境期であるため並んでいる野菜はキタアカリの子いも、男爵の新じゃが、新玉ねぎ、ズッキーニ、葉ごぼうのみでした。それでも皮が柔らかそうなじゃがいもを見て、すぐにこれ作ろうって思ったのが「じゃがいものオイル焼き」カリカリッにオリーブオイルで焼いて食べたいって思ったら、もうそれに向けて一直線。ぱっと買った野菜をかごに詰め込んで、寄り道せずにすっ飛んで帰りました。
                    
飛田さんが直売所で買った野菜
ちなみにこのかごは、娘が車内で食べる朝ごはんを入れて持ち歩いていたかごで、車内飯卒業後はかいものかごとして使っています。取っ手が壊れたので持っていた布を割いたリボンをぐるぐる巻にして修理しました。30年以上使っている年季の入ったかごです。


まずじゃがいもは小さい子いもを皮ごとよく洗って水けがついたままポリ袋(レンチン可のもの)に入れ、600Wで5分加熱。やけどしないようふきんをかぶせてさわってみて、柔らかくなっていたら、そのまましばらくおきます。そのあいだに新玉ねぎを輪切りにし、ズッキーニは食べやすく切ってさっと塩ゆで。

葉ごぼうは根っこの部分と、茎の部分を長さ4cmくらいに切りそろえて、水に5分ほどさらして、ベーコンとともに米油で炒め、酒、しょうゆ、みりん少々で味つけ。粗熱が取れたじゃがいもはポリ袋から出し、半分に切って新玉ねぎもいっしょにオリーブオイルでこんがり焼く。焼き上がりに塩をパラリ。ゆでたズッキーニは粒マスタードをたっぷりめにからめ、味をみてほんの少ししょうゆを加えてあえる。

粒マスタードには塩けもあるから、マスタードだけでもおいしいけどしょうゆのうまみがちょいとあるとさらにおいしくなる気がします。二口のコンロを使って同時進行したら、じゃがいもと玉ねぎのあつあつの焼き上がりを食べることができました。

新じゃがいものオイル焼きプレート  


 
ほんとはビールを飲みたいところでしたが、夕方車に乗る用事を思い出し断念。梅干しをのせたご飯も盛りつけてワンプレートごはんに。じゃがいもにはケチャップを添えて。マスタードやクリームチーズやサワークリーム、水きりヨーグルトも合いますが、この日はケチャップで食べたいっ!!!  という気持ちが強く、じゃがいもを買ったときからもう口の中にトマトの味が広がってました。 

レンジ調理苦手克服のカギは

レンチンじゃがをすぐにレンジから出したり、袋から出さなかったのには理由があります。これは、ここ数年、娘(現在は大学生で一人暮らしです)がレンジ調理をするようになって教わったことなんです。チンとでき上がりの合図が鳴ってすぐに取り出すとどうも肉も魚も野菜もパサつく。それがいやでレンジが正直苦手でした。冷凍ご飯をチンするくらいしか使わず、レシピもできるかぎりレンチンなしで通してきたんですが、娘がよくレンジを使うようになって、すぐに取り出さずに、おくことが何度かあって、そこで2人で気がついたんです。

「すぐに出すとこもっていた蒸気がパッと散ってしまうから、パサつくんじゃない?」。それから取り出すタイミングを意識するようになったら、いいんじゃないって、2人で納得することが多くなりました。手際がまだまだよくない娘のおかげで気がつけたことです。おかげでよく作る蒸し鶏も野菜の下ゆでもレンジを使うことが多くなりました。ただしばらくおくことですっかり忘れてレンジの中に放置ってことも……。翌日に「あー、もやしレンチンしてたんだー!」ってこともときどきありますが、これもまたよし。まだまだ大きな声で言えるほどのレンチン使いにはなっていませんが、すぐに取り出さないことでだいぶレンジの悩みが解消されています。 

ちなみに冷凍ご飯はというと、チンしたらすぐに食べちゃうからあまり気にならなかったというのと、レンチン用に蒸気があるうちあつあつご飯をパックに詰めているので、ふんわりおいしくでき上がるんです。それでもレンチンして少しでもおくとご飯のつやがなくなり、やはり味も落ちる。それもあってレンチンご飯でのお弁当作りはおすすめしていないんです。余談になりますが、お弁当は炊きたてご飯を詰めたほうが絶対においしい。もちろんさましてからふたをするのが前提ですが、さめたときのご飯のおいしさが格段に違うんです。 



さて最後に葉ごぼうの葉っぱはどうなったか。直売所のお母さんに、つくだ煮にするといいと言われ、アクが少ないからゆですぎないようにともアドバイスをもらったんですが、どうやっても筋っぽくてあきらめました。もったいないけど、こればかりはしょうがありません。茎はとても柔らかかったんですけどね。粗みじんくらいまで細かく切ってみましたが、口に繊維が残ってしまい、土に返すことにいたしました。どんなに新鮮な野菜でも、ときどきそういうこともありますね。野菜も個々で違いますから、ときどき苦かったり、堅かったり。そんなときはあきらめてもいいんじゃないかって思います。 

ではではこんな感じで、連載を続けていこうと思います。どうぞよろしく。

次はもう夏野菜が出はじめていること願ってますが、梅雨に入るので野菜の出来がどうなるのか気になりますね。せっかくのweb連載ですから、何かありましたらオレペのSNSなどからコメントお待ちしておりまーす。

飛田和緒


飛田和緒(ひだかずを)

料理家。神奈川県・三浦半島に夫・娘と住みはじめてから18年になる。海辺暮らしならではの魚料理や、地元の食材を使ったシンプルな野菜レシピが人気。繰り返し作りたくなる常備菜は、幅広い層から支持されている。お弁当や朝ごはんの記録をつづったインスタグラム(@hida_kazuo)も話題。著書に『いちばんおいしい野菜の食べ方』(小社)など。

オレンジページnetで飛田さんのレシピを探す

撮影/大森忠明

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