close

レシピ検索 レシピ検索
からだのキーワード

健康やダイエットで注目。『発酵性食物繊維』を知っていますか?【からだのキーワード】

2023.04.08

雑誌やテレビなどでときどき耳にする、からだの不調や病気などにまつわるキーワード。気になるものをピックアップし、医師が詳しく解説します!

健康にもダイエットにも効果的な注目の成分
『発酵性食物繊維』とは?

腸内で発酵し、健康への効果が高い〈短鎖脂肪酸〉をつくり出す
食物繊維は、よく知られていると思いますが、〈発酵性食物繊維〉という言葉は、まだ聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。これは、昨今の腸活ブームにともなって知られるようになったキーワードです。

食物繊維とは、食べ物に含まれる、人間の消化酵素では分解することができない成分のことです。水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維に分類することが多いですが、腸内での発酵のしやすさによっても分類することができます。腸内で発酵しない食物繊維を非発酵性食物繊維、発酵するものを発酵性食物繊維とする分類です。

最近、発酵性食物繊維に注目が集まっている大きな理由は、腸内で発酵する際に腸内細菌が〈短鎖脂肪酸〉をつくり出すから。短鎖脂肪酸には酪酸、プロピオン酸、酢酸などの種類があり、これらに健康へのさまざまな効果があることがわかっています。

おもな効果

腸内を弱酸性に保って悪玉菌の増殖を抑えることや、腸管のバリア機能を高めて免疫機能を調整すること。また、脂肪細胞に働きかけて脂肪の蓄積を抑えたり、血糖値の上昇を抑えたりする作用から肥満を防ぐ効果もあります。つまり短鎖脂肪酸は健康にもダイエットにも役立つので、発酵性食物繊維をとることが注目されているのです。まずは主食を発酵性食物繊維が多いものに替えてみて
発酵性食物繊維には、もち麦やオートミールなどに含まれる〈β‒グルカン〉、キウィなどの果物に含まれる〈ペクチン〉、ごぼうやらっきょうなどに含まれる〈イヌリン〉、豆類やバナナ、玉ねぎなどに含まれる〈オリゴ糖〉、海草に多い〈アルギン酸〉などがあります。これらは水溶性食物繊維です。不溶性食物繊維では、全粒粉や小麦ふすま、玄米などに含まれる〈ヘミセルロース〉が発酵性食物繊維です。そのほか、豆類やいも類、とうもろこし、冷やご飯などに含まれる〈難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)〉も発酵性食物繊維です。こういった食品をとることで発酵性食物繊維の効果が期待できます。
>>「豆」のレシピはこちら
>>「じゃがいも」のレシピはこちら
>>「とうもろこし」のレシピはこちら

おすすめのとり方

白飯をもち麦ご飯にしたり、白パンを全粒粉パンにしたりと、毎日とる主食を発酵性食物繊維が含まれるものに替えることです。また、玄米ご飯に煮豆、わかめのみそ汁などといった和食中心の食事にするのもおすすめ。毎日しっかりととることができます。発酵性食物繊維は、一部は腸内細菌で分解されますが、それ以外は排出されてしまうので、毎日とるのが理想的。ただ、おなかがゆるくなりやすい人はとりすぎに注意しましょう。

腸活の定番といえばヨーグルトですが、こちらは発酵食品に含まれる善玉菌を腸に届けるもの。対して、発酵性食物繊維はもともと自分の腸内にいる善玉菌のえさとなって短鎖脂肪酸をつくり出すものです。あわせてとることで、腸活効果がより高まります。

教えてくれたのは……青江誠一郎先生
大妻女子大学家政学部食物学科教授。農学博士。日本食物繊維学会副理事長。食物繊維の機能性、消化管機能、メタボリックシンドロームなどを研究。2010年に日本食物繊維学会学会賞、22年に日本栄養・食糧学会学会賞を受賞。
ほかの「からだのキーワード」を見る

(『オレンジページ』2023年4月2日号より)

構成・文/和田美穂 イラスト/山中玲奈 

関連タグでほかの記事を見る

SHARE

ARCHIVESこのカテゴリの他の記事

TOPICSあなたにオススメの記事

記事検索

SPECIAL TOPICS


RECIPE RANKING 人気のレシピ

PRESENT プレゼント

応募期間 
5/28~6/17

日清ヘルシークリアプレゼント

  • #食

Check!