2023.08.16

子どもの自由研究にも! ゼリーがぷるんと固まる秘密を探ろう

冷た~く冷やしたゼリーがおいしいこの時期。ゼリーって、固まっているのにぷるんと柔らかいのが不思議。どんな材料でできているのかな? どうして固まるのかな?
調べて研究してみよう!

ゼリーは水、砂糖、ゼラチンでできている


一般的なゼリーの材料は、水、砂糖、そしてゼラチンというシンプルなもの。ぷるぷるのお菓子には欠かせないこのゼラチン、おもな原料は「コラーゲン」なんです。コラーゲンとはたんぱく質のひとつで、動物の皮や骨などに含まれています。
鶏手羽や牛すじのスープが、冷えてぷるぷるしているのを見たことがありますよね? これは、スープにたっぷりとコラーゲンが含まれているから。この成分が、ゼリーを固めるのにも力を発揮してくれるんです。

ゼラチンが固まるしくみとは?


コラーゲンを拡大して見てみると、たんぱく質が3本ずつ鎖状にしっかりからまっているような構造をしています。だから、水にもなかなか溶けない、ということ。
でも、熱を加えると鎖が切れてバラバラにほどけ、水に溶けやすくなるんです。この状態のことを「ゼラチン」といいます。これを水に溶かして冷やすと、バラバラになったたんぱく質がもう一度からまり合って、ぷにぷにとしたゲル状に固まる!

はるか昔の古代エジプトの時代から存在していて、よくくっつくから、最初は食用でなく接着剤として使われていたそうです。


寒天のゼリーとの違いは?


ゼリーはゼラチンだけでなく、海草が原料の「寒天」でも作ることができます。ゼラチンで作ったゼリーと寒天で作ったゼリーを高温の場所においておくとどうなるか……実験して確かめてみよう!


30℃くらいの暖かい部屋に3時間くらいゼリーを置いておくと、寒天のゼリーはそのままの形だけど、ゼラチンのゼリーは形がくずれてきます。じつはゼラチンは熱に弱く、25℃くらいで溶けてくるので、暖かい場所に置いておくと形がくずれるのです。寒天は90~100℃にならないと溶けないから、しっかりしたままなんですね。

ゼラチンのゼリーと寒天のゼリー、作り方は同じ? それぞれどんな味や食感なのかな? などと合わせて違いを比べる実験をしても楽しそう。
夏休みの自由研究にもできますね!


寒天の不思議についてや、寒天で作るゼリーのレシピはこちら


断面が美しい、2層に固まるゼリーのレシピはこちら


寒天で固めるほうがむいているフルーツがあるみたい……?
生地は1つだけれど、固まるときに2層に分かれるゼリーが不思議!

気になるものを、親子で試してみてくださいね。

(『こどもオレンジページNo.5』より)

監修/藤本勇二(武庫川女子大学幼児教育科准教授) イラスト/てぶくろ星人 (写真3枚目)料理/下迫綾美 撮影/三村健二 (写真4枚目)料理/飯塚有紀子 撮影/よねくら りょう  文/編集部・和田有可

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