乱切りには規則があります。と聞いて、初心者の頃、ぎくっとしたことがありました。というのも、当時はどうも「乱」という字に惑わされて、ごぼうなど、包丁を縦横斜めに動かして切っていたから。これじゃあ、乱れ切り……。本来、乱切りは、一口サイズに、形が一定にならないように切ったものです。細長い材料を斜めに切り、手前に90度回して切り口を上にしたら、先ほどと同じ角度に斜めに切るという作業を繰り返したもので、こうすると、いろいろな切り口のある一口大にすることができます。乱切りがいちばん活躍するのは、ごぼう、にんじん、れんこんなどが入る筑前煮でしょうか。れんこんのように太い材料のときは縦4つ割りにしてから、乱切りにするのがこつです。