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小学校高学年の男の子がいます。
自分の部屋で過ごす時間も増えてきたのですが、
ニュースでいろんな事件のことを聞くたびに、
ちょっと心配になることも……。
子どもがひきこもらないような家にするにはどうしたらいいのか、
ぜひ知りたいものです。
(
ムーミン
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■子どもがひきこもらないための配慮とは?
思春期の子どもたちが起こすショッキングな事件を
ニュースで知るたび、
親なら誰でも、
「自分の子どもだったら……」と
ドキドキしてしまうのではないでしょうか。
現代に生きる子どもたちのまわりには、
常に危険や、誘惑がいっぱいあふれています。
友だちどうしの間でのいじめも
蔓延(まんえん)していると聞きますし、
いつ自分の子どもが
当事者にならないとも限らない不安があります。
子どもたちが問題を起こす原因は、
やはり家庭にもあるはずです。
そして家庭の入れ物である「家」にも……。
確かに、これまでに「すまい」について
うかがったかたのお話をまとめると、
思春期以上の子どもがいる家庭では、
それなりの配慮をしている場合が多いように思います。
たとえば、
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「帰ってきた子どもの顔色がわかるように、
リビングを通って子ども部屋に入るような間取りを」
「子ども部屋に、冷暖房やテレビは不要。
かぎがかかる必要もない」
「そもそも、子ども部屋としての個室はいらない」
「パソコンは子どもだけが自由に使えるようにするのではなく、
親と共有して使うように設定している」
などなど、
子どもにある程度の自由を与えながらも、
きちんと決まりを作っている家庭が多いようでした。
さらには、親たちの不安を反映して、
「子どもがひきこもりにならない間取り」が、
話題になる時代です。
子どもがひきこもらないような家づくりをするには
いったいどうすれば……。
そんな気持ちから、
心理カウンセラーの内田良子先生に、
お話をうかがいに行きました。
■子どもには、自分と向き合う時間と空間が必要
内田先生は、乳幼児から青年期までを対象に
30年以上にわたって
カウンセリングをしていらっしゃいます。
NHKのラジオ番組でも、
子どもの心理相談を受けています。
私の
「子どもがひきこもらない間取り、
というのはあるのでしょうか?」
という問いかけに、
先生はニコニコとほほえみながら、
美しいソプラノの声で答えてくださいました。
「“ひきこもり”っていう言葉を
どうとらえるかにもよるんですけどね……。
私は肯定的にとらえてもいいんじゃないかと思うんです」
「ひきこもり」を肯定的に?
先生のご意見は、
私にとっては目からウロコでした。
なるほど、これまで
「ひきこもり」=「悪」だとしか考えておらず、
また、ひきこもる子どもの側ではなく、
親の側からしか考えたことがなかったことに気づきました。
浅はかでした。
物事を一面からしか
見ていなかったことに対して、
とても恥ずかしくなりました。
「子どもには自己と対話できる空間も必要。
人に傷つけられたり、ひどい目にあったときには、
ひとりになりたいと思うもの。
ひとりになって、自分と向かい合う時間と空間は、
子どもにとっては小さいうちから
ほしいんじゃないかと思うんです」
確かに、
小学生以上の子どもたちの居場所は、
学校と家庭のふたつしかない
場合が多いでしょう。
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「子どもたちは居場所があればそこへ行くのです。
傷つけられて、
学校での居場所をなくした子どもたちが、
心と身体を回復する場所としてあるのが家庭、家
だと考えれば、
“ひきこもり”とネガティブに考えずに
すむのではないでしょうか。
けがをしたり病気になったら
家で過ごすのは認められるのに、
人間関係で傷ついたときには、
どうして家にいることが認められないのでしょう?
大人の会社員には有給休暇があるのに、
子どもたちにはないんです」
学校には「行って当たり前」という感覚があります。
学校は、病気、けが、忌引といった場合以外は、
休めなくて当たり前、と思っていました。
私自身、中学も高校も皆勤賞。
でも、それは家にいるよりもむしろ、
学校に行っているほうが楽しかったから、
という記憶があります。
居場所としては、
家よりも学校のほうが居心地がよかったような……。
「子どもが、いじめや先生の指導があわなくて
学校に行けなくなったとき、
さらに親子の関係に大きくひびが入って、
親とも顔をあわせたくない、という場合には、
子どもは家庭内別居のような状態になります。
親と顔をあわせたくないのだから、
当然、昼夜逆転の生活に。
それは弱者としての生活の知恵なんですね」
私は、
何年も「こたつ」の中で暮らしているという女の子の映像を
ニュースでみたことがあります。
一年中、もう何年もこたつを出しっぱなしで、
ずっとその中にこもって
顔も出さずに暮らしている女の子。
もちろん、今の日本の中での話です。
その子が安心して過ごせるのは、
家の中で唯一、「こたつ」の中だったのですね……。
「学校に傷つけられ、親に傷つけられたら、
自分を理解していない人がこわくなるんです。
だから、部屋にバリケードを作ったりするんです。
逆に、家族がうまく機能しているときには、
いくら子ども部屋にかぎがついていても、
子どもはかぎなんかかけないもの。
かぎがついていない個室がいいといっても、
ある程度の年齢になれば、
子どもは自分でかぎをつけますよ」
家がどう、間取りがどう、
などと考える前に、
私たちは、親子の関係、子どもの人間関係、学校での生活に、
きちんと心を砕いていかないといけないのです。
必ず、「成長していく子ども」が何を必要としているか、子どもの気持ちを考えて。
そのうえで、子どもたちの心を育てる空間として、
個室、あるいはひとりになれる場所を
配慮してやることを考えたほうがいいのでしょう。
間取りだけで、すべてが解決するわけではない、
ということなのですね。
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子どもには、安心していられる居場所が必要。学校での居場所がなくなった子どもたちは、家で心の傷をいやしているのです。 |
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子どもたちには精神的に成長するために、ひとりになって考える時間と居場所が必要です。 |
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ひきこもりは、間取りだけで解決できるような単純な問題ではありません。子どもの目線で、子どもの心とちゃんと向かい合うことが必要です。 |
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取材協力/内田良子先生(心理カウンセラー) |
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