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TOP暮らしTOP > あの人に聞く 野菜料理のヒント
あの人に聞く野菜料理のヒント:植松良枝さん:野菜をたっぷり食べたいなら、加熱するのがいちばん。温かくて、ほっとなごめる味わいなんです。
自分自身で野菜を育てて、料理する。
そんな暮らしぶりで今注目を集めている
料理研究家・植松良枝さん。
育つ様子を見守り続けたからこそ生まれる
『植松流・野菜レシピ』の魅力をさぐるべく、
実際に畑へお邪魔して、お話を伺いました。
新刊「温かい野菜料理」にまつわるエピソードや、
今すぐ取り入れられる野菜料理の楽しみ方……。
「もっと野菜を食べたい」と考える人にぜひ知って欲しい
ヒントの数々をお届けします。
祖父母は野菜づくりの師匠。いつもいろんなことを教えてもらっています。
植松さんのご自宅から、愛車のミニクーパーで約10分。小高い山の斜面に、その畑はありました。白菜にねぎ、キャベツに大根、そして秋の澄んだ空に映えるみかんの木……。空気もおいしく、野菜たちが「すくすく」と育っている音がしてきそうです。

「近くに住む祖父母がやっている畑です。その一面を間借りして、私もいろんな野菜を育てています。ほら、あそこには赤唐辛子、そうそう、今の季節なら菜の花の間引き菜がおいしいんですよね……」。

畑の説明をしながらも、すでに頭の中には「どんな風に料理しようかな」といった考えがぐんぐん広がっている模様。早速長靴に履き替えてバケツを抱え、収穫です。
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今日はみかんと菜の花の間引き菜、赤唐辛子を収穫。これで「11月のとっておきメニュー」を作ってくださるとのことで、スタッフ大感激! 野菜の新鮮さが断然違います。
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取材の合い間にも「少し、間引きしていってもいいですか」と、野菜たちの様子を眺める植松さん。おじいちゃんとのおしゃべりも楽しそうです。
「菜の花は、種をまいてある程度の大きさになったら間引いて、 別の畝に植えつけます(定地植え)。 そこから大きく育ち、3月にはつぼみをつけて、 おなじみの菜の花のおひたしなどの料理に使えるような姿になるのですが、 この間引いた葉『菜花』もとてもおいしいの。 えぐみのない優しい味で、私はさっとにんにくとナンプラーで炒めたり、 鍋料理に使ったり、からしあえにしてチキンなどといっしょにサンドイッチにはさんだりしています。 野菜には成長の過程で、そのときならではの味わい方があるのですよね。 赤唐辛子は刻んで酢漬けにして、ギョウザのときに使ったりもしますよ」。

そんなお話を伺っているところへ、この畑の主、おじいちゃんが登場! 今年87歳とはとても思えないしっかりとした足どり、ハートをゆさぶるような素敵な笑顔! そして植松さんにいろいろと話をしています……。

「この畝の菜花と、こっちの畝の菜花は、20日違いで定置植えしたんですって。こうやって時期をずらすことで収穫の時期もずらすことができるんですよね」。

なるほど、野菜づくりは奥が深い。植松さんの野菜への思いはこうした「師匠」の存在が大きいのかもしれません。寄り添って、おじいちゃんの話に耳を傾ける植松さんの表情がいつも以上に輝いていました。
この量の野菜をどうやって食べようか……、そんなところからレシピが広がりました。
毎日の食卓には当たり前のようにさまざまな野菜が並び、街中でも地元でとれた野 菜が安く手に入る……。子ど もの頃から、自然と野菜をたっぷり食べられる環境にいた植松さん。もちろん子ど もの頃から、野菜は大好き! 日ごろ野菜不足が気になる私たちにとってはうらやましい限りです。
厚手の鍋に野菜とにんにくを入れ、オリーブオイルと塩をふってふたをして加熱するだけ。「オイル蒸し」は、とっても簡単なのに、どっさり野菜を食べられます。
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「私たちは農家ではないので、山のように収穫した野菜を家族や親戚だけで食べきります。 だから、野菜をたっぷり食べたい、というよりは、どうやって使い切ろう、 という考え方のほうが強いかな。私がそんなときおすすめしたいのが、 今回の私の本「温かい料理」でもご紹介した『オイル蒸し』。 とにかくたっぷり食べられて、いろんな料理にアレンジもきく。 冷蔵庫の残り野菜にも応用できるから、覚えておくととても便利です。 私もパプリカやにんじん、ズッキーニ、いんげん、かぼちゃ、なす、玉ねぎ、キャベツなど、なんでもかんでも入れて煮ています。 これにクスクスを添えていただくのがおすすめ。野菜から汁けが出るので、それを添えたクスクスが吸って、 そのまざりあったところがおいしいです。レモンを好みで添えたり、クミンやコリアンダーを効かせれば、 たちまちモロッコ風になります。こういうアイディアは海外を旅行しないと出てきませんので、 それでよく海外に行くんですよね」。

シンプルな青菜のソテーも、調理の前に冷水にさらす。そんなひと手間って大切です。
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これが植松さんの「11月のとっておきレシピ」。菜の花の間引き菜と赤唐辛子のオイル蒸しをあえたパスタと、しぼりたてみかんジュース、そして畑でとれたビーツを使ったボルシチ。
●パスタ
うまみがぎゅっと凝縮された、やさしい味わい。赤唐辛子は甘みも感じられ、とても柔らか。
●ジュース
みかん10個を絞っただけ。「うちのみかんは味がしっかり、濃い〜んです」。
●ボルシチ
「今年はビーツを育ててみました。この赤は、トマト缶や缶詰めでは絶対に出せない色です」。
     
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「野菜をたっぷり食べたいなら、やはり加熱するのが一番です。私はサラダも好きだけど、蒸し野菜にしたり、スープにしたりすれば、かさも減るし、何よりからだも温まる。今回の本でも、そういった野菜料理を中心に作りました。そして、ただただ料理するのではなく、ちょっとしたコツを覚えるのも、大切なことだと思います。たとえば、青菜のソテーも、あらかじめ冷水にさらして、収穫したての状態にもっていっておく。どうせソテーすればしんなりするから……と思われがちだけど、仕上がりのシャキッとした食感が全然違うんです。ちょっとした手間を加えることで、野菜ってぐんとおいしくいただけるんですよ」。
食べてみて、「はっ」とするような料理を作り続けることが夢です。
今回の植松さんの本には、そんな野菜とおいしく付き合うためのヒントがいっぱい。素材の組み合わせにも、センスが光ります。

「今回の本でぜひみなさんに味わってほしいな、と思っているのが「ゆでアスパラガスの卵ソース レモンの香り」。写真を見るだけだと『ああ、なるほどね』って感じで味の想像もつきやすいのだけど、私のレシピでは、レモンの皮を散らします。これがまた、絶対にびっくりするから、ぜひ! これからもこうした新鮮な味わいの料理をどんどん作っていきたいです」。

種まきから収穫まで、育つ過程を見守り続けたからこそ、素材のもつ味わいを最大限に引き出す方法を知っている……。シンプルなのに、どこかほっとする味わいの秘密は、そこにあるのかもしれません。植松さんのレシピ、これからも目が離せませんね。
植松さんの著書:「温かい野菜料理」
旅した国々のエピソード入りのスープレシピや、祖母の代から受け継がれたおいしいすいとん、そして畑のこと……、 今の植松さんをつくりあげている要素が所狭しと散りばめられたレシピ集。 白いご飯によく合う味からおしゃれなパスタまで、毎日活躍するメニューがいっぱいです。
「温かい野菜料理」
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植松良枝 写真
1975年生まれ。大学では環境・福祉問題を学ぶも、ある日、料理の仕事をしようと決める。料理雑誌のアシスタントを手始めに、カフェやレストラン勤務、料理研究家のアシスタント、ケータリングなどを体験する。2003年 5月、自宅の倉庫を家族の協力のもと改装。
「アトリエmamagoto」を開設し、料理教室を始める。
同時に祖父母を師匠として、畑仕事もはじめ、野菜を育てて料理する、という念願の生活に入る。旅が好きで、
今までにめぐった国は十数カ国。
そこではもちろん「食べる」。食を背景とした各国の文化に興味は尽きない。
http://www.uemassa.com/
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