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ごはんフォト日記
あの人のごはんフォト日記『中村扇雀さんのごはんフォト日記』 中村扇雀さんのプロフィール>>>
気品高くも初々しい女形に定評のある三代目・中村扇雀さん。2000年からスタートした〈平成中村座〉での活躍では、従来の歌舞伎ファンのみならず、幅広い層から支持を集めています。そんな要注目の存在で、食通としても知られる扇雀さんに、食にまつわる日常をつづっていただきます!
2010年2月16日
お気に入り 季節の食べものから感じること
「福ハ内」という銘菓です。
京都の鶴屋吉信さんのお菓子で、
毎年節分に合わせて
自宅に送って下さいます。
このお菓子の一番の特長は
見た目、味わい、香りに加えて、
手ざわりがとてもいいんです。
手ざわりがいいと感じるお菓子は
そうはないと思いますが、
しつこいですがこのお菓子は、
まさに手ざわりもいいんです。
そしてネーミングの良さ。
食べ物で季節を感じることは
日本人の特権ですね。
僕は酒飲みですが、
甘いものにも目がないんです。
いただきます。

ところで。
西南西が今年の方角だそうです。
そう、「恵方巻」です。
もう何年続けてるのでしょう?
赤ちゃんの時は食べられませんから、
約40年ほどでしょうか?
節分には決まって
この巻きずしが食卓にのります。
バレンタインのチョコレートも
いつからだれが始めたか、
みんなが同じことを
何の疑問もなくしている姿は
滑稽なのかもしれません。
しかし、今年も何の疑問も抱かず、
西南西を向いて
無言で「すし萬」の巻きずしを
無病息災と世界平和を願って食しました。

習慣の中に文化があるのかな、
などと思い家族を見ると、
サラダ巻や海老天巻など、
好みの巻きずしをほおばっています。
習慣の中にも個性がいかされていて、
ほほえましく思いました。

〈伝統文化〉と世間では分類されている
歌舞伎の世界に籍を置く身ですが、
個性を生かしてこそ
歌舞伎も発展するんだなと、
巻きずしから歌舞伎に思いを転じ、
少しはほかのことを考えられないかなと、
今度は苦笑いしながら、
今年の恵方巻を完食です。
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